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フランスベッド財団主催 「平成17年度 研修会」
平成17年12月10日(土)、東京・表参道の日本看護協会ビル(JNAホール)にて、フランスベッド財団主催の研修会が行われました。この研修会では、日本の医療・看護・福祉のトップリーダーの講演が聴ける本研修会は、回を重ねるごとに関係者の関心を集めてまいりました。今回、講演者としてお招きしたのは、昨年6月就任以来、日本の看護環境の危機を訴え続けている、日本看護協会新会長の久常節子氏、日野原重明氏の後継者として聖路加病院院長を託された福井次矢氏のご両名。当研修会ならではのビッグな顔合わせが実現しました。

講演第1部
日本看護協会会長 久常節子先生
 「日本の看護の危機〜職能としていかに取り組むか」

 ・先進国中最低の日本の看護職人員配置
    「“ヒヤリ・ハット事例”を職種別に分析してみると、看護職・看護師による報告全体の約8割を占めるなど突出しています。
   原因は医療施設における看護職・看護師の人員配置の極端な少なさにあります。手薄い配置にもかかわらずたくさんの
   患者を看ることで、看護職の精神的・肉体的疲労は限界に達し、それが医療事故の引き金となり、ひいては看護師の自信
   喪失を招いています。100床あたりの看護職員数、夜間帯の患者一人当たりの看護職員配置など、どれをとっても日本の
   人員配置は先進国の中で最悪の現状にある。こうした危機的状況を即刻改善しなければなりません」

 ・基礎教育の見直し、教育期間の延長を
    「病院に就職した新人看護職員の1年後の離職率は9.3%、看護師の11人に1人が離職しているというショッキングなデータ
   があります。早期離職の理由として、新卒看護師の7割以上が、入職時1人で出来ると認識している技術が103項目のうち
   わずか4項目しかない。入職後3ヶ月経過しても基本となる看護技術103項目のうち68項目を1人で実施出来ない、という教育
   の欠陥が挙げられます。看護師の基礎教育の見直しとともに3年制から4年制への教育期間の延長が不可欠と考えます」

講演第2部
聖路加国際病院院長・京都大学名誉教授 福井次矢先生
 「根拠に基づいた医療(EMB)とその影響」

 ・根拠に基づいた医療(EBM)が問われている
    「今日、法律で義務付けられ、成人の大半が受けている健康診断の検査項目のいくつかは、病気の予防や死者の減少
   という視点における有効性を示す根拠に乏しいことが、私達の調査研究(『最新の科学的知見に基づいた保健事業に係る
   研究)』で判明しました。エビデンス・レベル(6段階で表示)という新しい考え方に基づき調査したもので、今後は根拠に基
   づいた医療(EBM)を再検討し推進する必要があると考えます」
 
 ・聴診や腹部診察はエビデンスなし
    「例えば医者が問診で必ず行う聴診や腹部の診察に関しては、これといったエビデンスは見つかりませんでした。肺がんの
   発見に効果があるとされている胸部レントゲンにおいても同様です。欧米で更年期障害の治療法として一般に行われている
   ホルモン補充療法に至っては、心筋梗塞や痴呆症になりにくいといわれてきたのが、実は逆効果をもたらしかねないという
   結果が出ました。これまで医学の世界ではほとんど学んでこなかったEBMですが、今後は、厚生労働省の健康診断項目の
   見直しや院内マニュアルの作成はもとより、医療のあらゆる局面において積極的に活用していくことが重要と考えます」

                                                ― H18.3.10発行「ふれあいの輪」より抜粋 ―
       
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