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韓日シンポジウム『高齢化社会に向けた日本における実践』が開催されました
                                      
去る1030日、フランスベッド・メディカルホームケア研究・助成財団は、韓国において初の海外研修を実施しました。金浦空港に降り立ったのは、池田茂理事長、講演者4氏、財団スタッフを加えた10名。ともに少子高齢化問題を抱える両国の間に、在宅ケア推進をめぐる確かな連携の輪が生まれました。

介護保険先進国の現状・課題を伝える
日本の高齢者人口の割合は20.8%(2006年)と世界最高水準にあります。これに対して韓国は9.1%(2005年)ですが、日本以上に少子化が深刻な韓国の高齢化スピードは、世界最速といわれる日本をも上回ると予想されます。そこで、韓国は2008年7月をメドに、日本の介護保険制度を一つのモデルとした「老人長期療養保険法」導入に向け準備に入りました。今回のシンポジウムの目的は、介護保険施行から7年を経た日本の高齢者福祉の現状、そして浮上してきた問題点などを、韓国の介護・医療関係者に報告することにあります。

看護師を中心に約250名が参加
シンポジウムは、ソウル市郊外の「ソウル教育文化会館」において開催されました。平日にも関わらず、会場は満席にほぼ近い約250名の参加者で埋まりました。その内訳は看護師(4050名)中心に、医療関係者、社会福祉関連の有資格者、民間事業者など。政府関係者の姿も見られました。プログラムは午前と午後に分かれ、まず池田理事長の挨拶があり、次いで日本の介護福祉制度や在宅ケアをリードしてきた4氏の講演(右頁参照)が行われました。シンポジウムは昼食をはさんで7時間の長丁場となりましたが、最後まで多くの方が熱心に聞き入る姿が印象に残りました。

■池田茂理事長挨拶(要旨)
「日本はいち早く、2000年4月に介護保険制度を導入いたしました。しかしながら、7年を経過し数多くの問題を抱え、本来の趣旨から逸脱する現象が発生してまいりました。例えば、「国の財政の圧迫」「サービス提供の低下」「施設の不足」「民間企業の収益圧迫による赤字経営」「低賃金・過重労働による介護スタッフの労働意欲低下」「コンプライアンスの欠如」「福祉用具機器の認識不足」などです。このような、日本の抱える高齢者対策等を海外では繰り返してはなりません。福祉の原点に戻り、『利用者から愛される、または喜んでいただけるサービスの提供』が必要かと考えます」

テーマ
『高齢化社会に向けた日本における実践』

■基調講演
「日本の介護保険制度施行までの道程と行政の役割」
 阿部正俊
氏/全国国民健康保険組合協会会長(前参議院議員)
 ○介護保険前史
 ○介護保険への流れ
 ○介護保険の創設へ
 ○国民的課題への取組として

■講演1
「高齢者福祉施設の経営について」
 西浦天宣氏/医療法人天宣会理事長
 ○高齢者保健福祉の変遷
 ○高齢者保健福祉施策の方向
 ○介護保険施設の現状
 ○介護老人保健施設の理念と役割

■講演2
「日本での訪問看護の経緯と現状」
 村松静子氏/在宅看護研究センターLLP代表
 ○訪問看護活動を始めた理由
 ○在宅看護の起業化へ
 ○理想と現実の狭間で
 ○進化した訪問看護の現状

■商品説明会
「福祉機器の取扱いについて」
 望月彬也氏/望月彬也リハデザイン代表取締役
 ○介護の構造
 ○福祉用具の選定(選定のポイント)
 ○福祉用具の選択
  ポータブル便器、シャワー椅子、歩行補助器、安全てすり、すべり防止用具、杖、車いす、ベッド、エアマットほか

●韓日シンポジウムを終えて
韓日シンポジウムは成功裏のうちに幕を閉じました。参加者は、講演内容に満足し、昼食時にはあちこちで講師と名刺を交換する光景が見られました。特に関心を集めたのが、望月氏による福祉用具の商品説明でしたが、逆にいえば、車いすや杖といった基本的福祉用具知識すら周知徹底されていない韓国の現状が垣間見えたともいえます。介護保険制度を導入して7年を経た日本と、来年の施行に向けて準備段階にある韓国では、知識・経験すべてにおいて開きがあるのは当然のことです。予想以上の格差の大きさを実感できたことも、一つの収穫といえるでしょう。

「日本の関係者がこれまで、この種の試みを一切してこなかったわけではありません。しかし、今回のように、現場で実践している方の話を直接聞く機会はなかったようで、なかには感動し涙を拭いている人もいました」(久保伴江常務)。財団では今後も、こうした海外でのシンポジウムを事業の一環として進めていく方針です。

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