日日- HiBi - Day-to-Day
受け継がれる、愛―。
未来永劫、続いてゆく想いのカタチがある。
長年の友人K氏の依頼で墓石文字を揮毫した。
「〇〇家」と数百枚は書いただろうか。ご両親
の要望も伺いながら修正に修正を重ねた。筆文
字デザインの決定後、お父様から「是非、石崎
さんのお名前も」と。墓石の側面に私の名前ま
で刻してくださることになったのだ。熱い想いが伝
わる。書道家冥利に尽きるお仕事だった。
そして今夏ようやく念願のお墓参りに伺った。
手を合わせ、ご先祖様にも感謝を伝える。三
世代計七名のご家族に迎えられ、美味しいお寿
司とお酒を。奥様とは着物や鎌倉彫りについて
話が弾んだ。出版社勤務だったお父様とお琴の
師範代でもあるというお母様。このご両親にし
てK氏あり。その後お伺いしたご自宅もアート
と音楽、こだわりの逸品で溢れていた。
驚くべきことに、70'sや80'sの音楽をこよな
く愛し、お気に入りのレコードに針を落として
聴かせてくれたのは、何と4歳の息子くん(私
はこんな4歳の男の子を他に知らない!)。
感性豊かなご家族、それら全ての才能を受け
継いだのがこの王子なのだ。彼が成長し、未来
へと継承してゆくものは、きっと自由な色彩と
音色をした家族の「愛」なのだろう。
書家/石崎 甘雨